RPA関連企業のRPAに対する取り組み

RPA関連企業

RPAに関する事業を行う会社は増えて来ています。

直接的に関わるところで大別すると、以下のようなジャンルが挙げられます。


  • RPAツールを開発・販売する会社(ベンダー)
  • RPAツールのライセンス販売代理店(リセラー)
  • RPA導入支援を行う会社(コンサル・SIer)
  • RPAを導入する会社(ユーザー)


概ねRPAというプロダクトの流れを上から書いてみましたが、

最近ではユーザーポジションからコンサル・SIerポジションに昇格する事例もあります。


例えば下記の三井住友銀行は、メガバンクの中でも抜きん出てRPAに積極的な取り組みをしており、

160万時間という途方もない業務削減効果を生んでいましたが、

ついにそのノウハウを売る側に回る「SMBCバリュークリエーション」なる新会社を設立しました。


【参考リンク】RPA導入支援へ新会社 三井住友銀

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41466350Z10C19A2EE9000/


UiPathとも戦略的業務提携をしています。

弊社から見るとお客様からライバルとなりました。

現状はあからさまにRPA人材の需給が逼迫しており、今後もこのような事例が増えていくかもしれません。


RPA関連企業一覧

ここからはやや投資家目線の内容になります。


RPA関連企業とはどのような会社があるのでしょうか。

筆者もよく利用している「株探」というサイトに、RPAをテーマとした銘柄一覧が掲載されています。


【参考リンク】RPA(事務用ロボット)関連が株式テーマの銘柄一覧

https://kabutan.jp/themes/?theme=RPA


対象は上場企業のみとなりますが、筆者の知っている範囲でこの中からピックアップしてご紹介します。


※銘柄コード順

◆パーソルホールディングス<2181>

人材派遣大手のパーソルですが、RPAでいうと「リセラー+エンジニア派遣」の立場のようです。

また、自社所属人材に対するRPAトレーニングなども行っています。


ただ、元々エンジニア派遣専業ではないため、必ずしもそのクオリティは担保されていないという話を聞いています。

RPAについてはそうですが、人手不足の影響もあり業績は堅調で、PER20倍、PBR3倍と株式評価も高めです。


◆システナ<2317>

独立系SIerであるため、RPAでもプロジェクトの開発部分を担当することが多いようです。


RPAについては、WinActorのリセラーであることから、Winactor案件に強いようですが、

今後はUiPathなどの案件も手広く行っていくという話を聞いています。


RPAについては物凄く力を入れているわけではないようですが、RPA人材の数自体は一定数を確保しています。

ただ、SIerということもあり、上流工程人材はあまりいないと聞いています。

(RPAの上流工程人材が余っている会社はないと思いますが)


企業のIT投資が一向に衰えを見せない中、業績も急拡大しており、

PERは30倍近く、PBRは6倍以上と今後も大きな成長を織り込まれた評価となっています。


◆ディップ<2379>

社名はあまり聞いたことない人が多いかもしれませんが、「バイトル」や「はたらこねっと」の運営をメイン事業としている会社です。


社内でRPAを浸透させ、数万時間の削減を成し遂げているほか、AI・RPAに多大な投資をしています。

つい先日も、2024年2月期までに500億円もの投資をすると発表したばかりです。


【参考リンク】ディップ、「ロボット派遣」に500億円投資

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43035190Y9A320C1DTA000/


投資は既に実行に移されており、AI・RPAに企業に30億円を出資しています。

出資先企業の中には、請求書に特化したAI-OCRを展開するオートメーションラボ社や、クラウドRPAの新興勢力であるチュートリアル社なども入っています。

(弊社も両社には何かとお世話になっています)


【参考リンク】請求書AI-OCR「sweeep」

https://sweeep.ai/


ディップ社は2024年2月期までにAI・RPA関連での売上高を450億円にすると宣言しています。

これは、バイトルなどで現在稼ぎ出している売り上げよりも大きい数値です。


2019年4月に施行された働き方改革法案で企業のRPA導入は頓に進んでおり、

AI・RPA事業の伸長余地は想像もできないほどです。


2019年4月より「AI・RPA事業部」も設立しており、

執行役員に就任した次世代事業準備室長 兼 dip AI.Lab室長の進藤圭氏とは直接お話したこともありますが、

AI・RPAへのひたむきな投資意欲を大変に感じました。


また、進藤氏の著作は非常に細かなRPAのTipsやためになる失敗事例などが満載で、

RPA関連書籍の中で最もオススメの一冊となっています。


【参考リンク】進藤圭『いちばんやさしいRPAの教本』

https://book.impress.co.jp/books/1118101023


これらからわかるのは、ディップ社が、一過性の流行に乗ってAI・RPAをやろうとしているのではなく、

黎明期からの純投資として、また、労働力の総合商社としての未来を見据えた戦略を取っていることに非常に共感しています。


にもかかわらず、PER15倍、PBR4倍程度と、今後の成長評価があまりされていません。

そこで、筆者はささやかながらディップ社に出資しています。

RPA関連銘柄の中では本命銘柄の一つだと考えています。


◆TIS<3626>

新宿の立派なビルの上層階をほとんど1社で借りている独立系大手SIerです。


UiPathゴールドパートナーとして、UiPath案件の多くを受託していると聞いています。

その他、Automation Anywhere案件にも力を入れているそうです。


UiPath界隈では一定の影響力があり、筆者も何かとお世話になっております。


大手ということもあってか、PER20倍、PBR2倍ほどですが、評価余地は大きそうです。


◆システムリサーチ<3771>

愛知地盤のSIerです。


2018年10月にUiPath開発リソースパートナーに認定されています。


愛知ということもあってか、売上の4割弱がトヨタグループとなっています。


業績は最高益を更新し続けており、社風も進取の気性に富んでいます。


一方、RPA業界の潮流は、東京のRPA導入が一巡し、いよいよ大阪・京都・名古屋・福岡など地方のRPA導入が進んで来たと実感しています。


トヨタは先日開催されたUiPath Forum 2019においても、UiPath導入をさらに進めていくことを高らかに宣言していました。


このような潮流・IT投資の流れも含めた外部環境の良化は今後も続くと考えられ、時価総額も100億円程度と成長余地も大きい企業ですが、

株式評価もPER13倍、PBR2.3倍と十分な評価がされていません。


UiPath開発リソースパートナーは、申請時点で10名のUiPath資格が必要であり、

半年以内にこれを30名まで増やすことを確約しなければ認定を取り消されます。


従って、全従業員数1000名弱から考えると、かなりの割合をRPAに割いており、

RPA事業に力を入れており、今後もそうしていくであろうことが窺えます。


そこで、筆者はシステムリサーチ社にも出資しています。


◆Minoriソリューションズ<3822>

Minoroboという独自のRPAツールを販売している会社です。


ただ、筆者が東京ビッグサイトの展示会で製品を見せてもらった第一印象は、

「UIがイマイチ」

でした。


業績は好調なようですが、PER13倍、PBRは2倍以下となっています。

あまり周りにMinoroboを導入した/したいという企業がおらず、

Minoroboを利用した印象も上記であるため、出資するには至っていません。


◆コムチュア<3844>

独立系SIerです。

RPA関連では、やはりプロジェクトの開発部分を担うことが多いようです。


昨年、RPA関連銘柄として大変に株価を上げました。


ただ、筆者も何度か現場の方とお話しをする機会があるのですが、

まだRPA関連事業の売り上げは大きくないと聞いています。


RPA人材もさほど割いていない印象でしたが、株式評価はPER30倍、PBR9.3倍と市場からの期待は高いです。


◆伊藤忠テクノソリューションズ<4739>

CTCという名前でも有名な大手SIerです。


UiPathではゴールドパートナーともなっており、TISとともにUiPath案件の多くを受託していると聞いています。


そういったこともあり筆者も何かとお世話になっておりますが、

上流工程人材は不足しているようです。

(くどいようですがこれが充足している会社はありません)


UiPath本社にも影響力が大きいと見え、ゴールドパートナーの特権である「サブリセラー制度」はCTC社が提案したと聞いています。


業績・株価ともに堅調であり、PER25倍、PBR3倍と、市場も今後の成長を織り込んでいます。


◆アイティフォー<4743>

独立系SIerです。

こちらもしばしばRPA関連として仕手化することがあります。


NICEというRPAツールの販売をしています。


また、やはり開発を担当することが多いのですが、特に自治体や官公庁に強いようです。

この辺りは、表向きは入札の形を取っているとはいえ人脈等のつながりがものを言いやすく、そういった人材が豊富なようです。


業績はやや上げ下げが激しく、株価もボラティリティが高いです。

それもあってか、現在はPER17倍、PBR2.1倍ほどの市場評価となっています。


◆RPAホールディングス<6572>

主力は総合RPAサービスである「Bizrobo!」の販売です。

ちなみにBizrobo!はあくまでサービス名称であり、Bizrobo!で利用しているRPAツール「Kofax Kapow」はまた別の企業が開発しています。


その他、コンサルやSIも行っているようです。

さらに、RPAの総合情報サイトである「RPA BANK」の運営や、RPA専門の展示会である「RPA Digital World」の開催、

トレーニングサービスなどなど、RPAに関わるところはすべてカバーしている印象です。


当然筆者も当社の成長余地は大きいと考えていますが、

PER200倍、PBR35倍と、市場評価が高すぎるため、出資については手が出せません。


◆NTTデータ<9613>

言わずもがな、最大手SIerです。


RPAについてもツールの開発から販売、導入支援、トレーニングまですべてをカバーしています。


金融機関や地方自治体の基幹システムがNTTデータ製だったりするため、スタートラインの強みがあります。


さらに、NTTデータグループが開発・販売するWinActorは導入において問題を多く抱えている製品だと考えていますが、

その営業力の強さから、日本においては最も多くの企業に導入されています。


外部環境の良さから業績も堅調ですが、

最大手ということもあってか、PER20倍、PBR2倍ほどで推移しています。


◆SCSK<9719>

色々な事業をしているのでどう形容すればよいか難しいですが、ITサービス大手です。


RPAでは、UiPathのゴールドパートナーなど、いくつかのツールリセラーとなっています。

出自がSIerであるため、開発領域が強いとのことで、やはり上流工程人材は不足していると聞いています。


業績は伸び続けており、PER20倍、PBR2.7倍ほどの市場評価を受けています。


◆ソフトバンクグループ<9984>

通信大手と言いたいところですが、今やその実態は投資会社ではないでしょうか。


孫社長も講演で「RPA」という単語を連呼するように、RPA領域には注力しています。

元々はSynchroidというBizrobo!のOEM製品を販売していましたが、

最近は特にAutomation Anywhere推しのようです。


ソフトバンク社自体は今のところRPA界隈で大きな影響力を持っていると考えていませんが、

筆者は孫氏の投資能力を卓抜していると見ており、その孫氏がRPAに注力している事実はこの業界のしばらくの安泰を暗示していると考えています。


併せて読む:

四季報から見るRPA業界最新動向

筆者が四季報オンラインから検索したRPA関連企業の動向について、

検証すると同時にRPA業界の裏話なども併せて紹介しています。