地方自治体や公共団体・官公庁のRPAで気を付けること

このところ、自治体や官公庁におけるRPA案件が増えています。


これまでは、茨城県や神奈川県川崎市、熊本県宇城市といった先進的な試みをしているところに限られていましたが、

このところ俄かに増えつつあり、2019年度での予算編成では、より一層のRPA導入が進むものと見込まれます。


筆者も愛知県における地方自治体のRPA導入に携わった経験があり、この経験から、どのような特徴があったかを詳らかにしていきたいと思います。


【セキュリティが厳しい】

自治体の案件で痛感させられるのは、そのセキュリティの厳しさです。

市民の個人情報を扱っているからでしょうが、そのセキュリティに対するスタンスは大手金融機関水準かそれ以上のものがあります。


セキュリティが厳しい場合にどのような問題が発生するのでしょうか。


例えば、ファイル暗号化ソフトを使用していることにより、開発環境の整備や開発そのものに影響する場合があります。

これは、筆者の経験でも実際にありました。


また、共有フォルダへのアクセス権限、ユーザー権限の付与といったあたりに手間取るといったこともあります。


これに加え、シンクライアント環境であることも多いです。

シンクライアント環境である場合、例えばUiPathだとCitrixという製品を使っていない限り、セレクタ(ボタンなどの要素情報)が取れません。


この場合、解決策は2通りあります。


  1. OCRでイメージをフックに自動化する
  2. 実際に動作する側のPC内にRPAツールをインストールする


「1」のOCR技術については、精度に難があり、確実な動作を保証できなくなります。

できれば避けたい運用となります。


「2」の動作側PCにRPAツールをインストールすることについては、環境が許すかどうかという問題を孕みます。



【職員のRPAへの関心】

お役所仕事を批判するわけではありませんが、こういった団体は直接に利益を上げているわけではないため、

業務時間削減への熱意が民間企業と比べて明らかに低いです。


また、RPAでは要件定義などにおいて現場レベル、業務担当者レベルと深く折衝する必要がありますが、

彼らの中には「自分の仕事が奪われる」と考え、RPAに対して敵愾心を抱く者もいます。

こうなると、RPAの浸透は期待できません。


トップダウンでいかにスムーズに進捗させるか、民間企業に比べ非常に繊細な気配りが必要です。



このように公共団体へのRPA導入は必ずしも民間企業のそれと同様ではありません。

これらの入札では、公共団体への導入支援実績があるかを必ず聞かれますが、やはり団体職員の方々もそれをお分かりなのかと思います。


RPAはどの業界・団体においても、特化した知見のある者が主導してプロジェクトを推進することが成功の第一歩になります。